現場監督の仕事って何するの?墨出し編

現場監督について

現場の中で現場監督って何をしているのか?

何かフラフラとこれと言った作業するでもなくホウキとちり取りをもって歩いている現場監督、暇そうにしていると思ったら大間違い、何をしているのか解説していきたいと思います。

見積内容に必ず記載されている項目が墨出しです。

テナント内装業界における墨出しとは、図面を基に建物に合わせた壁の位置、家具の位置、インフラの粗配管配線位置、器具の位置、基準高さ、床材やタイルの貼り出し位置、本当に家具がおさまるのかなどなどすべての基準を出す作業になります。

建物に合わせた地墨の墨出しってどうやるの?

まず建物の形や曲がりに合わせて何処を基準にすればいいかを設計会社と決めていきます。

(墨出しを20年やり続けた経験上1mmも曲がってない建物は存在しません)

私はお店に入ってメインのところを基準として考えることが多いです。

レジで合ったり、オブジェであったり、カウンターであったりお店により異なりますが、入店してすぐにあるレセプションが曲がっていると違和感を感じたり、建物によっては左右の壁の手前で0cmでも奥で5cm以上、さらに正面の壁では10cm曲がっていたりするので、漏れがないか注意深くチェックし、レーザーと墨壷でテナント全体の中心に十字で地墨を出します。

すべての基準がこの地墨から出されていくので、正直ここが一番肝心要な箇所になります。

高さの基準墨

高さの基準の墨出しに関しては色々な考え方があるのですが、基本的にはテナント内の一番高い箇所を基準にすることが多いです。

建物によっては床に5cmも落差があったりするので全体から一番高いところを基準にすることが基本経かと思います。

なぜこれが正解じゃないかと言うと、理由としては、変更が利かないものによる隙間が生じてくる場合があります。

仮に既製品のメーカーによる建具を設置した場合に、先ほどの落差5cmの物件ですと、仮に一番低いところに建具を取り付ける際に、床から5cmの隙間が空いてくるからです。

お客様の支給品なども変更が利かないものなので、臨機応変に物件に合わせて高さを決めていくこととなります。

床に左官工事が入る際は左官屋さんに現場の状況を問い合わせて「それなら3cm見ておいて、5mmの薄塗りでやるから余裕見て6mmで」と言った会話になることも付け加えておきます。

間仕切り壁の位置の墨出しってどうやるの?

先ほどの地墨により追い出して壁の位置を決めていくのですが、先に言ったように曲がっていない建物はないので図面と照らし合わせ、本当に壁の位置が図面通りで入るのか?家具や設備機器は納まるのか?しっかりとチェックします。

大体は図面通りにはいかないので何処をメインで見せたいのか、何処の寸法は変えられなくて何処の寸法を詰めていけば問題ないのかを設計会社やお施主様と確認します。

この確認作業を怠って経験則で「ここで詰めておけばいいや」と進めてしまうと後に大問題に発生するので注意が必要です。

間仕切り壁の墨出しについては下地墨、ボード墨、タイルや石などの仕上がり墨などありますが、大体下地墨のみで行うことが多いかと思います。

墨がありすぎると間違えの原因になることが多く、手直しや出戻り工事になってしまいます。

ここでの注意点は下地の墨なので+仕上げ材の寸法を頭に叩き込んでおかないと後に大変なことになるので、心配な方は仕上げ墨まで打っておく方もいるかと思います。

インフラ関係の墨出しってどうやるの?

壁の墨が出来上がったら次はインフラ関係の墨出しに移ります。

給水、給湯、排水、配線、天井がスケルトンであれば何処の経路を使っていけば配管配線経路を綺麗に見せていけるのかに注意しながら墨出しを行います。

各器具の設計承認図に配管の位置が記載されているので、配管ルートに障害物はないか、露出してしまわないかなどに注意しながら行っていくことになります。

私の場合は必ず施工前に専門業者と打ち合わせて、承認図に問題がないか、排水の勾配に問題がないか等々確認してから作業にあたって頂くようにします。

基本的にインフラ関係は壁の中でしたり、床の中でしたり、隠蔽されて再工事となると現場に大打撃が起こります。

稀に、墨出てるんだからこれで良いんでしょ?知らないよと言う方もいますが、そういった方は次の工事はお断りさせていただいております。

家具の墨出しってどうやるの?

これに関しては現場の初期段階で図面が出来上がってないことが多いので、着工時は粗墨しか出てこない。と言ったことも多くあります。

その際は平面図を頼りに寸法等々で床に書き込んでいく形になります。

現場が進んでいく際に図面が仕上がってくれば再度墨出しとなります。

家具に関しては、枠のチリだったり、階段上げで踊り場が狭くて回ってこない、エレベータ―に入らない、そもそも建物の入り口に入らない等の問題が多いような気がしますので、各所寸法をあたり、何処を分割して発注すれば綺麗か?そちらのほうが注意かなと思います。

床材やタイルの貼り出し位置

こちらに関しても建物に合わせて進めていくことになります

小さいものが端で入らないようにしたい、入り口に真っすぐに床材を貼りたいと思うのは現場監督ならではなのかどうかと言ったところなのですが、ここでも地墨が重要になってきます。

地墨がテナント内の真っすぐと言う基準があるので、あくまで地墨からいくつ、と進めていかないと壁の建ちや、家具と斜めに床が貼られていってしまうことがあるので注意が必要です。

どうしても人間の手作業なのでラクしたくなる気持ちを抑えつつ職人さんに手間がかかるほうをお願いしているのは私だけじゃないはずですがいかがでしょうか?

まとめ

・店舗工事において墨出しとはすべての基準となる工事になります

・建物は真っすぐではない、水平ではないので墨を出す際に調整していくことが必要

・墨がずれていたり、間違っていたりすると大変な問題になるので注意

以上今回は墨出しについて考察をまとめてみました。

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